yamamizuh’s diary

沖縄県の北部・東村にある自然と民俗の博物館です

夏の到来

皆さん、こんにちは。
学芸員の金城です。



沖縄は梅雨明けしたようです。
太陽光線が攻撃的になっています。
何も考えずに外に出ると、ひどい日焼けをしてしまうので注意が必要です。
金城はすでにコゲコゲです。今年も美白はあきらめました〜。





7月1日(土)は、国頭村にあるウフギー自然館主催の
アジサシ観察会へ行って参りました!




観察場所は辺土名高校のすぐ近く、
サザマ石に営巣をなしている、アジサシと呼ばれる渡り鳥の観察です。



講師のアクティブレンジャー・上開地さん(環境省)の説明が
またおもしろくて分かりやすかったです(^^)



そうだ、皆さんはアジサシという鳥をご存じでしょうか。
私は今回、初めて知りました!



・夏を告げる海鳥でカモメの仲間
・6〜8月に沖縄へ飛来し、営巣する
・数種類のアジサシが沖縄の北部や南部、離島などへ飛来する
岩礁に巣を作り、卵は1〜2個


説明の中で気になったのは、
近年数が減っている(環境省レッドリスト 絶滅危惧?類)ということ。


マリンレジャーや釣りで営巣地である岩礁にゴミを置くと、
カラスやドバト、猫や犬がゴミを漁りに来てしまう。
また、人が巣の近くにいることで、巣を放棄してしまう。


私たちが「少しなら大丈夫でしょ」と思うことが、
鳥たちにとっては繁殖の妨げになってしまうんです。


自然と共存するために、住民や観光客へ
様々な取り組みを行っている、という紹介もありました。




アジサシの現状をふまえ、いざ観察!



▲サザマ石です!快晴!




サザマ石には数匹のエリグロアジサシが営巣していました。
(写真とれず‥)


また、塩屋の方にもいくつか営巣していました。
この塩屋のエリグロアジサシは、浮きの上で巣作りしていました。



▲イメージ図(金城作)


浮きがプカプカ海の上で揺れているのと
エリグロアジサシが淡々と卵を温めている姿がすごくユニーク。


もう一カ所の営巣地では、
環境省さんの上等望遠鏡を使って、写真ゲット!



▲フォルムが美しい鳥です。落ち武者チックですが


エリグロアジサシはベニアジサシよりも
環境に対して柔軟性があるということでした。


他にも、ベニアジサシやコアジサシ、アジサシがいるということでしたが、
今回はこのエリグロアジサシだけ見る事ができました。


沖縄に飛来するアジサシの種類を
金城の簡単なイラストで少しご紹介。



▲紅色の足とくちばしが目印・ベニアジサシ
 ・毎年オーストラリアから約6,000kmを旅して沖縄に来る
 ・沖縄に来たときはくちばしが黒
 ・巣作りが始まるとくちばしが紅色になる
 ・岩礁に巣を作る



▲通称・落ち武者カット!エリグロアジサシ
※今回見たのはこの鳥
 ・どこで越冬しているのか不明(東南アジアより南側と考えられている)
 ・くちばしと足が黒く、頭が白い。目から頭の後ろにかけて黒い模様
 ・波が少ない場所ではイケスの枠や発泡スチロールのウキの上でも営巣する
 ・沖縄で良くみるアジサシ



▲黄色のくちばしが特徴・コアジサシ
 ・くちばしが黄色で背中が灰色
 ・砂浜で繁殖
 ・泡瀬の方に出没
 ・インドネシアからオーストラリア周辺で越冬 


きっと日常で目にしたことがある鳥たち。
名前を聞いて生態を知ると、
その瞬間から彼らの事が目に飛び込んできます。


知らない事を知ると、
日常にひとつ色が加わったように感じますね(^-^)


皆さんも何気ない日常で名前を知らない植物や動物がいたら、
名前を調べてみてください♪


きっと、その瞬間からその存在がいとおしく感じられますよ(^o^)